GASで業務を自動化する基礎知識|AI活用30日間トライアル Day08

営業リストを毎週手動で整理し、見込み顧客へのメールも一通ずつ手打ち――。
同僚が「GASで自動化してるよ」と言った瞬間、恥ずかしながら“自分だけ昭和時代に取り残された気分”になりました。
しかも彼は、問い合わせフォームからの情報も自動でスプレッドシートに整理し、条件に合った見込み顧客には、自動でリターゲティングメールまで送っているというのです。
「GASってプログラミングでしょ? 自分には無理…」と思っていた私の固定観念が、一気に崩れました。
実は、Google Apps Script(通称GAS)は、非エンジニアでも今日から始められる“業務自動化の入口”なんです。
しかもChatGPTとの連携で、コード生成も補助してくれる時代に。
この記事では、GASの基礎知識から始まり、「メールの自動返信」や「営業リストのリターゲティング」など、明日から使える具体例を紹介します。
「自分でもGASを使いこなせるかも」と思ってもらえる内容になっています。
GASとは何か?業務自動化との関係性
GAS(Google Apps Script)とは、Googleが提供する無料のスクリプト開発環境で、GoogleスプレッドシートやGmail、Googleフォームなどと連携してさまざまな自動処理を実現できる仕組みです。
「プログラミング」と聞くと身構えてしまう方も多いかもしれませんが、GASはJavaScriptをベースにしており、比較的シンプルな構文で書けるのが特徴です。 たとえば「スプレッドシートのデータを読み取る」「条件に合致したらメールを送信する」といった処理も、数行のコードで実装可能です。
実際の業務では、以下のような活用シーンがあります:
- フォームからの回答を自動でスプレッドシートに記載
- 毎朝、前日の営業活動ログをまとめてSlackに自動送信
- 条件に応じた営業リストのフィルタリング&メール自動配信
こうした業務は、日々繰り返すルーティンでありながら、意外と時間を奪われがち。GASは、そうした”単純だけど面倒な業務”を着実に削減してくれる、いわば「業務効率化の裏方」として機能します。
さらに、GASはGoogleの各種サービスと標準でつながっているため、APIの設定や外部連携の手間が少ないのも魅力です。
次の章では、非エンジニアでも簡単に取り組める「メールの自動返信」のスクリプト例を紹介していきます。
自動化の第一歩:メールの自動返信をつくってみる
GASによる業務自動化の中でも、もっとも始めやすいのが「メールの自動返信」です。
たとえば、問い合わせフォームに入力があったら、自動で「お問い合わせありがとうございます」とメールを返す。 あるいは、営業リストに新規登録があったら、即時に案内メールを送信する——そんな一連のフローが、数十行のコードで実現できます。
📧 Gmailとスプレッドシートの組み合わせで実現
以下は、Googleスプレッドシートに入力されたメールアドレスに、自動で定型文を送信する基本スクリプトの例です。
// GASコード例:メール自動送信
function sendAutoReply() {
const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
const data = sheet.getDataRange().getValues();
for (let i = 1; i < data.length; i++) {
const row = data[i];
const email = row[0]; // 1列目にメールアドレスがある前提
const status = row[1]; // 2列目に送信状況がある前提
if (status !== '送信済') {
GmailApp.sendEmail(email, 'お問い合わせありがとうございます', 'ご連絡ありがとうございます。近日中にご返信いたします。');
sheet.getRange(i + 1, 2).setValue('送信済');
}
}
}
このように、スプレッドシート上で「まだ送っていない行」だけを判定し、自動で送信→送信済にマークをつける、という処理が可能です。
生成AIとの連携で"文面作成"も自動化可能
さらに、生成AIの APIと連携すれば、「メール本文の生成」すら自動化できます。
例えば、問い合わせ内容に応じて適切な返信文をChatGPTに生成させ、それをそのままメールで送信する、といった仕組みも実装できます。
実務に効く!フォーム→スプレッドシート連携のスクリプト例
「問い合わせフォームの内容が、毎回バラバラなメールで届いて処理が面倒…」
そんな悩みも、GoogleフォームとGASを活用すれば一気に解決できます。
GoogleフォームはGoogle Appsに含まれる無料のフォーム作成ツールで、送信された情報を自動的にスプレッドシートに記録してくれる仕組みがあります。 これにGASを組み合わせることで、フォーム入力後に以下のような自動化が可能です。
- 入力内容をリアルタイムで整形・分類
- 担当者ごとに通知を出し分け(SlackやGmail)
- 条件に応じて自動で返信メールを生成
スプレッドシートとの自動連携スクリプト
以下は、フォーム入力内容を整形し、Slack通知する簡易スクリプトの例です:
function onFormSubmit(e) {
const responses = e.namedValues;
const name = responses['お名前'][0];
const email = responses['メールアドレス'][0];
const message = responses['お問い合わせ内容'][0];
const slackMessage = `📩 新しいお問い合わせ\n氏名: ${name}\nメール: ${email}\n内容: ${message}`;
UrlFetchApp.fetch("https://hooks.slack.com/services/XXXXX", {
method: "post",
contentType: "application/json",
payload: JSON.stringify({ text: slackMessage })
});
このスクリプトは、Googleフォームに入力があるたびに自動で呼び出され、Slack通知を送る処理です。Gmail通知に変更したり、条件分岐を加えることで、さまざまな業務フローに応用できます。
ChatGPT活用で「要約」や「文面生成」も
加えて、ChatGPT APIと組み合わせれば、問い合わせ内容を要約したり、返信文をその場で生成することも可能です。
フォームの「内容」欄をChatGPTに送信し、「3行で要約して」とプロンプトを投げれば、担当者への共有もよりスピーディに。
営業リストの「リターゲティング自動化」はこう組む
営業活動で成果を上げるためには、「新規開拓」だけでなく「既存リストの再活用=リターゲティング」が欠かせません。
しかし、このリターゲティングも人力でやるとなると、つい後回しにされがちです。
GASを使えば、過去の営業リストから条件を絞り込み、見込み度の高い相手にだけ、適切なメッセージを"自動で"送る仕組みを作れます。
スプレッドシート×条件フィルタ×GAS
たとえば、以下のような構成です:
- スプレッドシートに営業リスト(会社名/担当者/最終接触日/ステータスなど)を用意
- 「最終接触日が30日以上前」「ステータス=検討中」などの条件でフィルタリング
- Gmailを使って自動で「再提案メール」を送信
- 送信済みフラグを付けて、二重送信を防止
function retargetLeads() {
const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
const data = sheet.getDataRange().getValues();
const today = new Date();
for (let i = 1; i < data.length; i++) {
const lastContactDate = new Date(data[i][2]); // 最終接触日(仮に3列目)
const status = data[i][3]; // ステータス(仮に4列目)
const email = data[i][1]; // メールアドレス(仮に2列目)
const daysSinceContact = Math.floor((today - lastContactDate) / (1000 * 60 * 60 * 24));
if (daysSinceContact > 30 && status === "検討中") {
const message = generateEmailBody(data[i][0]); // ChatGPT APIから生成する想定
GmailApp.sendEmail(email, "その後いかがでしょうか?", message);
sheet.getRange(i + 1, 5).setValue("送信済"); // 5列目に送信済フラグ
}
}
}
ChatGPT連携で「提案メール本文」も動的に生成
さらに実践的な方法として、ChatGPT APIを使って「提案メール文面」をその都度生成することも可能です。
プロンプト例:
「○○株式会社の●●様、先月ご提案させていただいた件、その後いかがでしょうか?という営業メールを品位な口調で200文字以内に書いてください」
こうすることで、テンプレート化された"いかにも自動送信"な文章ではなく、自然なコミュニケーションが可能になります。
とはいえ、「テンプレートだとお客様からの印象がイマイチだな…」と感じる方もいるかもしれません。
そんな場合でも、まずは自分宛にメールを送ることで、抜け漏れや対応遅れのリスクを防ぐことができます。
営業マンにとって"機会損失"は致命的。自分自身へのリマインドとしてGASを使うのも、立派な自動化の一歩です。
まとめ|手作業卒業への第一歩を踏み出そう
「営業リストの管理」「問い合わせメールの返信」「フォーム情報の記載」――
日々の業務に潜む"単純だけど面倒な作業"は、少しの工夫とスクリプトで驚くほど自動化できます。
GASは、プログラミング未経験者でも始められる軽量な自動化ツール。
そして今は、ChatGPTという"生成AIの補助輪"もあります。書き方がわからなくても、「この処理をしたい」と聞けばコードを提案してくれる時代です。
本記事で紹介したのは、あくまでGAS活用の入口にすぎません。
けれどこの"最初の一歩"が、あなたの業務効率を飛躍的に変えることにつながります。
次のステップは、営業成果に直結する"実務テンプレ"です
GASで自動化の入り口に立ったあなたへ。
次に目指すべきは、「成果につながるテンプレート」を手に入れ、実務で"使い倒す"ことです。
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この記事の監修
黒山結音 - Sooon株式会社COO。「AI×営業」などの最先端ノウハウを発信。ChatGPT、Gemini、FeloなどのAIツールを活用した営業効率化手法を開発し、非エンジニアでも実装可能なメソッドを指導。「GMOコラボ 生成AI大感謝祭」に登壇者として、「AIグランプリ2025 春」に審査員として参加。生成AIパスポート保持 / Feloアンバサダー / tl;dvパートナー