法人営業はAIで課題解決!常識が変わる活用方法&成功事例を徹底解説

「法人営業にAIは活用できる?」
「AIを有効活用して法人営業を効率化したい」
「具体的な活用方法やおすすめツールを教えてほしい」
AIの進歩は目を見張るものがあり、さまざまなビジネスの現場で活用が進んでいます。法人営業においても、AIを導入することで、担当者の負担軽減や業績アップが期待できます。
そこで本記事では、法人営業におけるAIの具体的な活用方法、成功事例、おすすめツールを詳しく紹介します。
読み終えるころには、AIをどのように活用すべきかが明確になり、法人営業の新たな可能性に気がつくはずです。
AIの発展がもたらす法人営業の未来についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
法人営業におけるAIの役割と重要性
近年、法人営業はコロナ禍を経て大きく変化しています。
従来は「足で稼ぐ」のイメージがありましたが、テレワークの普及やオンラインショッピングの拡大により、今までの営業手法では置いていかれる傾向にあります。
デジタル化が進む現代で見込み顧客のニーズを的確に捉えるには、市場状況や顧客情報など「大量のデータ分析」が必要不可欠です。
AIは、このデータ分析において優れたパフォーマンスを発揮します。人間がアナログで分析するよりも正確かつ迅速に結果を導き出すことが可能です。
したがって、今後の法人営業では、AIをいかに活用するかが企業の成長を左右する重要なポイントになるでしょう。
法人営業の課題はAIで解決できる
AIを導入することで、法人営業が抱える以下3つの課題を解決できます。
- 新規顧客開拓をうまくできていない
- 保有データをうまく管理できていない
- 問い合わせから新規顧客獲得につながらない
順番に解説しましょう。
課題1.新規顧客開拓をうまくできていない
法人営業において、新規顧客の開拓は企業の成長に欠かせない要素です。
しかし、デジタル化の進展による競争激化やニーズの多様化が進む中、新規顧客をうまく獲得できずに悩む企業が増えています。
実際、株式会社ラクスが2024年6月に実施した調査によると、BtoB企業の営業担当者1,013名のうち、8割以上が「新規顧客開拓に課題を感じている」と回答しました。
その主な課題としては、以下の要素が挙げられています。
- 業務が多くて時間がない
- 人員が足りない
- 方法がよくわからない
参考:【BtoB営業の課題調査】新規顧客開拓を行っている87.2%が課題を感じていると回答!具体的な内容とは?|株式会社ラクス
多くの企業は、新規顧客の開拓が重要だと認識していながらも、実際の行動や成果につながっていないのが現状です。
そこで鍵となるのがAIの活用です。
AIは「膨大なデータの処理」や「パターン化された業務の自動化」を得意としており、新規顧客開拓において以下のように役立ちます。
- 市場トレンドの予測
- 顧客ニーズの分析
- 定型的な資料やメールの作成
つまり、AIを活用することで「見込み顧客の特定」「アプローチ方法の最適化」が効率化されます。さらに、単純作業を自動化すれば、人手不足による業務負担も軽減されるでしょう。
課題2.保有データをうまく管理できていない
法人営業では、顧客情報や商談履歴など大量のデータを管理する必要があります。
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)のツールを活用している企業は多いでしょう。しかし、実際のところ有効活用できている企業はそれほど多くありません。
HubSpot Japan株式会社が2023年11月に実施した調査によると、法人営業の担当者1,545名のうち、約8割が「データ活用に課題を感じている」と回答しました。
課題の内訳としては、以下の要素が挙げられています。
- データを活用できる人材がいない・少ない
- 営業部署内のデータが適切に管理されていない
- 他部署とのデータ連携が進んでいない
参考:日本の営業に関する意識・実態調査2024の結果をHubSpotが発表|HubSpot Japan株式会社
近年、デジタル化の進展により、データ管理の重要性がますます高まっています。保有データを適切に管理できていない状況を放置すると、営業戦略の立案や顧客サポートにおいて深刻な影響を及ぼしかねません。
先ほどお伝えしたとおり、AIを活用すれば、大量のデータを瞬時に分析・共有できます。これにより、企業はデータを適切に管理し、より効率的な営業活動を実現できるでしょう。
課題3.問い合わせから新規顧客獲得につながらない
新規顧客を獲得するうえで、問い合わせ後の対応は非常に重要です。
問い合わせは顧客の興味・関心の表れであり、迅速に対応することで商談やアポイントにつながる可能性が高まります。
しかし、人手不足が深刻化する中、担当者の業務負担が増大し、問い合わせ対応に課題を抱える企業も少なくありません。
株式会社ハンモックが2022年2月に実施した調査によると、営業担当者324名のうち、約8割が「Web問い合わせ後の営業担当者の割り当てに煩雑さを感じている」と回答しました。
さらに、「過去1年間でWeb問い合わせ後の対応遅延により、商談やアポイントがつながらなかった経験」として、約3割が「11件以上」、3社に1社が損失額を「1,000万円以上想定」という回答結果も得られています。
参考:【営業窓口の実態調査】Web問い合わせ後の対応の遅延により、3社に1社が受注損失金額を「1000万円以上」と想定|株式会社ハンモック
問い合わせ対応の重要性を認識しつつも、リソース不足では業務改善が進まないでしょう。
その点、AIを導入すれば、365日24時間対応できる体制を整えられます。よくある質問には自動回答し、複雑な質問には担当者へスムーズに引き継ぐなど、適切な対応が可能です。
問い合わせ対応の遅れを防ぐことで、見込み顧客を逃すリスクを大幅に軽減できるでしょう。
法人営業におけるAIの活用方法とは?
ここからは、法人営業における具体的なAI活用方法を4つ紹介します。
- 営業事務の効率化
- 新規顧客からの問い合わせ対応
- 市場調査と見込み顧客の絞り込み
- 営業組織の人材育成
順番に見ていきましょう。
1.営業事務の効率化
AIを活用することで、以下のような営業事務を効率化できます。
- 顧客データや案件情報の入力
- 営業リストの作成
- 顧客へのメール作成
- 納品書や請求書の作成
- 議事録や提案書の作成
AIは、システムに取り込まれた情報を正確かつ迅速に整理できます。顧客や案件のデータ入力は、人間が手作業で入力するより効率的に処理・反映できるでしょう。
また、資料やメールの作成はパターン化されていることも少なくありません。過去の資料を学習させたり、キーワードを指示したりすることで、AIが自動で作成してくれます。
AIの出力結果は必ずしも正しいわけではありませんが、それでも人間は最終確認と軽微な修正をするだけで済みます。
時間が空くことで、顧客との対話や戦略立案に集中できるようになるでしょう。
2.新規顧客からの問い合わせ対応
AIは大量のデータを学習することで、適切な回答を生成できます。
そのため、過去の問い合わせ対応履歴やFAQデータなどを学習させれば、新規顧客からの問い合わせにも自動対応が可能です。
例えば、以下の対応はAIが得意とする領域になります。
- よくある質問への回答
- 商品やサービスの資料・マニュアルを提示
- 担当者へのスムーズな引き継ぎ
AIは、24時間365日対応可能であるため、顧客は休日や夜間の営業時間外でも気軽に問い合わせができます。待ち時間を削減することで、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
近年のAIは、自然言語処理や機械学習の技術が飛躍的に向上しました。よって、質問内容の文脈を理解した人間らしい自然な会話が可能です。
問い合わせ対応にAIを導入することで、営業担当者はより複雑な質問への対応に集中できるようになります。
3.市場調査と見込み顧客の絞り込み
AIは大量のデータ分析を得意としています。よって市場調査や見込み顧客の絞り込みにも活用可能です。
例えば、商品やサービスの情報を与えることで、業界の動向分析から最適な市場を提案してくれます。「この製品を利用するユーザーの悩みを教えて」と指示をすれば、市場の傾向や顧客ニーズも把握しやすくなるでしょう。
さらに、顧客の行動履歴や過去の商談履歴を分析することで、見込み度の高い顧客の絞り込み・順位付けもできます。
データに基づいた精度の高い営業リストを作成できるため、営業担当者は商談の準備に注力できるようになるでしょう。
4.営業組織の人材育成
AIの導入は、営業組織の人材育成にも大きく貢献します。
例えば、以下の通りです。
- 分析で導き出された商談の成功パターンを組織内で共有する
- 営業ロールプレイングを分析して強みや弱みを洗い出してもらう
- トークスクリプトを作成して新人担当者の経験値を積み上げる
このように、AIが分析した成功パターンや熟練社員のノウハウを企業内で共有すれば、組織全体の営業力を底上げできます。
企業の生産性が向上するだけでなく「あの人がいないと仕事が回らない……」といった業務の属人化も解消できるでしょう。
法人営業におけるAIの活用事例4選
ここからは、法人営業におけるAIの活用事例を見ていきましょう。
- パナソニックコネクト株式会社
- ALSOK
- 株式会社大塚商会
- 株式会社キャリアデザインセンター
事例を知ることで、よりAIを活用するイメージが湧くはずです。
1.パナソニックコネクト株式会社|AI導入で年間18.6万時間の労働時間を削減
パナソニックコネクト株式会社では、主に業務生産性向上を目的に、自社向けのAIアシスタントサービスを導入しています。
1年間の活用実績として社員にアンケートを実施した結果、全社員で18.6万時間の労働時間削減につながったことが判明しました。
労働時間の削減に貢献した主な活用例は、以下が挙げられています。
- 検索エンジンのように活用し、単純な質問のやりとりを効率化
- 戦略策定や商品企画、基礎データ作成のサポート
同社では、社員のAIスキル向上やシャドーAI利用リスクの軽減も目標として掲げていましたが、これらも達成しています。
国内全社員約12,400人のAIスキルが向上した背景には、経営トップから現場まで「挑戦を応援する文化」が浸透していたことが大きいと述べられています。
参考:パナソニック コネクト 生成AI導入1年の実績と今後の活用構想|パナソニックコネクト株式会社
2.ALSOK|AIチャットボットの導入で問い合わせ対応コストを3分の1に削減
ALSOK(綜合警備保障株式会社)では、問い合わせ業務の改善策としてAIチャットボットを導入しています。
同社では商品やサービスが多様化する中で、約1,800人の営業担当者からの問い合わせ増加に課題を感じていました。
安全・安心のニーズに対応すべく、数百種類もの多彩な商品・サービスを展開するものの、営業担当者は増え続ける商品・サービスの把握と確認に追われる状況だったようです。
しかし、AIチャットボットを導入したところ、平均8分かかっていた営業窓口検索が、なんと15秒にまで短縮しました。
問い合わせ対応全体でも年間約1,700時間の削減につながり、これまでかかっていた人件費の3分の1で問い合わせ対応ができるようになったとのことです。
参考:ユーザーローカルのAIチャットボット導入事例|ALSOK
3.株式会社大塚商会|蓄積した膨大なビッグデータをAIが分析し商談数が3倍増
株式会社大塚商会では、営業力の強化を目的にAIを導入しています。
同社は、さまざまなITツールを導入することで、社員数を増やさずに売上高を伸ばすビジネスモデルを20年以上継続してきました。
しかし、営業担当者ごとに得意・不得意があり、一部の社員のパフォーマンスに依存する業務の属人化が課題となっていました。
そこで「20年以上にわたり蓄積したビッグデータを活かせないか」と考えたところ、AIによる分析にたどり着いたとのことです。
AI導入後は、そのビッグデータをもとに市場や顧客のニーズを自動抽出できるようになりました。半年で7万件以上(従来の3倍増)の商談をAIが提案、思いもよらない関係性を示唆するアドバイスを提供するなど、生産性が大きく向上しています。
参考:AIが半年で7万件以上の商談を提案
高精度な分析力で営業担当者の信頼を勝ち得る|株式会社大塚商会
4.株式会社キャリアデザインセンター|AIを活用したフォームマーケティングで問い合わせ獲得が120%に
株式会社キャリアデザインセンターでは、フォームマーケティングを効率化するためにAIを導入しています。
フォームマーケティングとは、企業の問い合わせフォームから自社の商品やサービスの案内文を送信し、商談アポを獲得するマーケティング手法です。
転職サイトの運営を主軸とする同社では、転職サイトへの掲載や転職フェアへの出展に関する「企業からのお問い合わせ獲得」が重要な業務となっています。
その問い合わせ獲得にフォームマーケティングが有効と耳にしたものの、マーケティング知識に乏しいことから、何をすればよいか悩んでいました。
そこでAIを活用したフォームマーケティングに着手したところ、四半期単位で問い合わせベース120%を実現できたようです。
さらに、おすすめリストの自動作成や一度に大量の営業メールを送ることで、社内にマーケティングノウハウも蓄積されていると述べられています。
参考:導入後、問合せ獲得が120%に。
確度の高いお問い合わせ獲得を実現!|GeAIne
法人営業に役立つAIツールおすすめ7選
ここからは、法人営業に役立つAIツールを7つ紹介します。
- Musubu
- Mazrica Sales
- GeAIne
- Magic Moment Playbook
- Sales Maker
- UKABU
- MiiTel
自社の目的や予算に合ったツールを見つけてみてください。
1.Musubu|法人営業のターゲティングから成約までを徹底支援
提供会社 |
Baseconnect株式会社 |
料金プラン(税込) |
■標準プラン ・3か月スタートプラン:55,000/月 ・6か月プラン:50,000/月 ・12か月プラン:45,000/月
■単月プラン ・スモールプラン:60,000/月 ・ミディアムプラン:120,000/月 ・ラージプラン:330,000/月 |
無料トライアル |
1か月間 |
主な機能 |
・140万件以上の企業情報 ・きめ細かな絞り込み検索 ・既存の顧客リストの紐付け ・CSVダウンロード ・クラウド保存 ・営業活動管理 ・取引先管理 ・CSVインポート ・名寄せ ・マッチ度算出 ・既存顧客分析 ・成約分析 ・カスタマーサクセス |
公式サイト |
Musubu(ムスブ)は、法人営業のターゲティングから成約までを支援する企業情報データベースです。
140万件以上の企業データと30以上の検索軸を活用することで、自社と相性の良いアプローチ先を素早く見つけられます。
精度の高い営業リストを自動作成できるため、業務効率化と成約率の向上が期待できるでしょう。
2.Mazrica Sales|進行中案件のリスクや類似案件を直接アドバイス
提供会社 |
株式会社マツリカ |
料金プラン |
・Starter:27,500円/月〜 ・Growth:110,000円/月〜 ・Enterprise:330,000円/月〜
※税抜価格 |
無料トライアル |
あり(要問い合わせ) |
主な機能 |
・顧客管理 ・案件管理 ・行動管理 ・レポート機能 ・名刺管理 ・リスク分析 ・類似案件のアドバイス |
公式サイト |
Mazrica Sales(マツリカセールス)は、リード獲得・追客・未開拓顧客の獲得や営業推進までを1つにまとめた営業DXプラットフォームです。
「誰でも使えること、誰でも成果を出せること」を強みとしており、その使いやすさや導入効果には定評があります。
GoogleサービスやSlackなど多様なツールと簡単に連携ができるため、日々の業務をシームレスに効率化できるでしょう。
さらに、AIが進行中案件のリスクや類似案件をアドバイスしてくれることで、商談数の増加や成約率向上が期待できます。
3.GeAIne|企業の問い合わせフォーム営業を自動化
提供会社 |
エッジテクノロジー株式会社 |
料金プラン |
■基本プラン ・ビジネス:40,000円/月 ・スタンダード:67,500円/月 ・ハイエンド:80,000円/月
■営業リスト付きプラン ・ビジネス:70,000円/月 ・スタンダード:121,500円/月 ・ハイエンド:160,000円/月
※別途初期費用あり ※税込・税抜は要問い合わせ |
無料トライアル |
3日間(送信数200社・リスト取得300件) |
主な機能 |
・フォーム営業 ・営業文章の作成 ・営業文章のABテスト ・営業リストの取得 ・簡易レポート |
公式サイト |
GeAIne(ジーン)は、法人営業向けの新規開拓営業支援ツールです。問い合わせフォームに自動で営業メールを送り、新規アポの獲得に貢献します。
データベースに登録された約60万社の企業リストの中から、実際に問い合わせ送信に成功した企業だけを絞り込むため、精度の高い営業リストを作成可能です。
また、事前に複数の営業文章パターンを設定しておけば、A/Bテストによる反応分析もできます。ブラッシュアップを重ねることで、より商談数を増やしていけるでしょう。
4.Magic Moment Playbook|誰もが実行可能な“営業の型”を組織に実装
提供会社 |
株式会社Magic Moment |
料金プラン |
要問い合わせ |
無料トライアル |
要問い合わせ |
主な機能 |
・営業状況の可視化 ・商談やヒアリング内容の可視化 ・顧客アプローチの自動提案 ・顧客フォローの自動化 |
公式サイト |
Magic Moment Playbook(マジックモーメントプレイブック)は、営業組織の出力を最大化させるためのAI営業プラットフォームです。
商材やターゲットに応じて、営業の流れ、ヒアリング項目を自動作成する機能が搭載されています。誰でも型に沿った営業ができるため、スキルの標準化に役立つでしょう。
さらに、顧客の行動をもとに、優先すべき案件を提示してくれます。これにより、営業担当者は提案の質を高めることだけに集中可能です。
5.Sales Maker|インテントセールスで効率的な営業を実現
提供会社 |
株式会社Sales Marker |
料金プラン |
要問い合わせ |
無料トライアル |
要問い合わせ |
主な機能 |
・ターゲット企業のキーマンに直接アプローチ ・顧客分析 ・営業戦略の提案 ・文面の自動生成 ・インテント広告 ・API連携 ・Slack投稿 |
公式サイト |
Sales Maker(セールスマーカー)は、インテントセールスをおこなう法人営業向けのAIツールです。
インテントセールスとは、顧客の行動データや検索履歴を分析し、顧客ニーズを把握する営業手法を指します。
顧客の興味関心や検討段階が事前にわかるため、見込み度の高い顧客リストを作成可能です。適切なアプローチ先を見つけることで、成約率向上が期待できるでしょう。
6.UKABU|顧客カルテと営業トークスクリプトを自動生成
提供会社 |
株式会社UKABU |
料金プラン |
要問い合わせ |
無料トライアル |
あり(要問い合わせ) |
主な機能 |
・商談スクリプト作成 ・スクリプトと結果の差分を分析 ・顧客や担当者に関する情報収集 ・顧客情報のカテゴリ整理 ・重要な情報のピックアップ |
公式サイト |
UKABU(ウカブ)は、営業先の顧客名を入力するだけで「顧客カルテ」と「営業トークスクリプト」を自動作成できるAIツールです。
顧客情報を各種データベースやWeb上から収集することで、自社の営業目的に最適なトークスクリプトを生成する仕組みとなっています。
ワンクリックでトークスクリプトを作成できるため、営業準備時間を大幅に削減できるでしょう。
また、トークスクリプトの内容は、顧客との対話の流れに応じてリアルタイムで切り替わります。これにより、新人担当者の早期戦力化にも貢献します。
7.MiiTel|トーク解析から最適な改善案をアドバイス
提供会社 |
株式会社RevComm |
料金プラン |
・MiiTel ・MiiTel Phone:5,980円/月 ・MiiTel ・MiiTel
※税抜価格 |
無料トライアル |
要問い合わせ |
主な機能 |
・自動録音 ・文字起こし ・通話のスコアリング ・SFA/CRM連携 |
公式サイト |
MiiTel(ミーテル)は、電話営業・Web会議・対面商談における会話を最適化する音声解析AIツールです。
会話の内容やタイミング、話し方やキーワードなど、あらゆる会話データを可視化することで、成約につながりやすい営業トークを導き出せます。
また、トップ営業担当者のトークを分析・可視化できるのも特徴です。抑揚や会話のバランスといった“話し方のコツ”を社内で共有することで、新人社員の即戦力化も期待できます。
法人営業でAIを効果的に活用する4つのポイント
法人営業でAIを活用する際は、以下4つのポイントを押さえることが大切です。
- AIを導入する目的を明確にする
- 正しいデータを入力する
- セキュリティ性能の高いツールを選ぶ
- 営業メンバーのAIリテラシーを高める
順番に解説します。
1.AIを導入する目的を明確にする
AIツールを導入すると、初期費用や月額費用がかかります。
導入する目的が明確になっていないと、費用対効果を実感できずに運用を諦めてしまい、費用や労力が無駄になってしまう可能性があります。
そのため、AI導入における目的を、以下のように設定しておくことが重要です。
- 商談につながる見込み顧客を効率よく絞り込みたい
- 営業の戦略立案をサポートしてもらい成約率を高めたい
- 問い合わせ対応の質を高めて顧客満足度を向上させたい
AI導入の目的が明確になっていることで、最適なツール選択や運用の効果測定がしやすくなります。
2.正しいデータを入力する
AIは蓄積された学習データに基づいて、最適な情報を提供する仕組みです、つまり、学習データに誤りがあると、参考にならない情報が生成される可能性があります。
例えば、以下の通りです。
- 数値の入力ミス:誤った表やグラフを用いた資料が生成される
- 古い顧客データ:存在しない企業へのアプローチ方法が生成される
- 偏ったデータ:バイアスのかかった分析データが生成される
参考にならない情報が出力されると、余計な労力を生むだけでなく、顧客からの信頼を失う原因にもなります。
AIに誤ったデータを学習させないためにも、生成AIの利用ガイドラインを作成し、質の高いデータを蓄積させる体制を整えましょう。
なお、従業員向けの生成AIガイドラインを整備する場合は、日本ディープラーニング協会の「生成AIの利用ガイドライン」を参考にするのがおすすめです。
3.セキュリティ性能の高いツールを選ぶ
多くのAIツールでは、入力データを一定期間保存する仕組みになっています。
つまり、分析対象のデータに個人情報や機密情報が含まれていると、不正アクセスやサイバー攻撃などによって情報漏えいにつながるリスクがあります。
漏れて困る情報は入力しないのが最善策ですが、法人営業においては難しい場合が多いでしょう。よって、以下のようなセキュリティ性能の高いツールを選択することが重要です。
- データの暗号化
- アクセス制限の管理
- オプトアウト機能(入力情報を学習に使用しない機能)
なお、法人営業向けAIツールの中には、社内サーバーでデータ管理を完結させるオンプレミス型もあります。インターネットを必要としない場合には、オンプレミス型の導入がおすすめです。
4.営業メンバーのAIリテラシーを高める
AIツールを導入しても、営業メンバーがAIの仕組みやリスクを理解していなければ、現場に浸透しないでしょう。
「どのようにツールを活用すればよいのかわからない……」と迷う状況では、今までよりも労働時間が増えたり、トラブルが発生したりする可能性があります。
そのため、AI導入後は「営業メンバーのAIリテラシー教育」を実施することが重要です。
近年は、政府もAIリテラシー教育を後押ししており、AI関連の研修や講座も充実してきています。自社のニーズに合ったサービスを選択するとよいでしょう。
AIの発展がもたらす法人営業の未来
AIは法人営業に新たな可能性をもたらす一方で「このままではAIに仕事を奪われるのでは……」と不安を抱く声も少なくありません。
しかし、AIがどれほど進化しても、法人営業の仕事そのものが完全になくなることはないでしょう。その理由は以下の3つです。
- AIはインターネット上にある情報しか扱えない
- 世の中には専門知識を活用できない人も多い
- 信頼関係は人同士のやりとりでしか生まれない
AIは、顧客ニーズに適した商品やサービスを提示するのが得意ですが、学習データにない「開発中の商品やサービス」の提案はできません。
また、情報が溢れる時代だからこそ、多くの顧客は「どの商品やサービスを選べばよいかわからない……」と悩んでいます。その情報を取捨選択し、最適な提案をするのは人間の役割です。
さらに、商品やサービスがコモディティ化している現代では、「いかに顧客から信頼されるか」が購買行動において重要視されています。
信頼関係の構築には、人間の「熱量」や「微妙な感情の理解」が欠かせません。よって、法人営業の要となる商談をAIが完全に代替するのは難しいでしょう。
このような点を考慮すると、AIが法人営業の仕事を奪う可能性は低いといえます。むしろ営業担当者は「商談」や「戦略立案」など、人間にしかできない業務により注力できるようになるでしょう。
これから営業成績を高めていきたいのなら、AIを脅威ではなく「パートナー」と捉える姿勢が大切です。
なお、AIと営業の関係性については、以下の記事でより詳しく解説しています。
まとめ:AIをパートナーにして法人営業を効率化させよう
コロナ禍を経てデジタル化が加速した現代、法人営業にはデータ分析を活用した効率的なアプローチが求められています。
しかし、人手不足が深刻化し、担当者の業務負担が増大する中で、見込み顧客の特定やパーソナライズされた戦略立案に十分な時間を割くのは難しいでしょう。
そこでAIツールを活用すれば、市場データや顧客情報の分析を瞬時にできるほか、資料作成やデータ入力、問い合わせ対応の自動化で業務負担を大幅に軽減できます。
これからの法人営業では、AIをパートナーとして活用することがスタンダードとなるはずです。時代の流れに乗り遅れないためにも、この機会にAIの導入を検討してみてください。

この記事の監修
黒山結音 - Sooon株式会社COO。「AI×営業」などの最先端ノウハウを発信。ChatGPT、Gemini、FeloなどのAIツールを活用した営業効率化手法を開発し、非エンジニアでもアイデアを実装可能なメソッドを指導。生成AIパスポート保持 / Feloアンバサダー / tl;dvパートナー