MEOで来店数を予測する方法|Googleマップデータの計算手順
MEOで翌週・翌月の来店数を予測する基本式は、「チャネル別の予測アクション数 × 自店で実測した来店率」の合計です。
予測来店数 = Σ(予測アクション数 × 過去の実測来店率)
ここでいうアクションは、Googleビジネスプロフィールのルート検索、通話、Webサイトクリック、予約などです。ただし、これらは来店完了数ではありません。ルートを調べても来店しない人、通話ボタンを押しても電話がつながらない人、複数の行動をする同一人物がいるためです。
したがって、MEOの来店予測はGoogleマップの数字だけで完結させず、予約台帳、POS、受付時の流入元記録とつなぎます。予測は1つの断定値ではなく、保守・標準・上振れの3レンジで示し、毎月の実績で係数を更新するのが実務的です。
結論:MEOの来店予測は「行動数×自店の来店率」で計算する
予測の全体像は次の通りです。
- Googleビジネスプロフィールから、ルート検索・通話・Webサイトクリック・予約などを取得する
- 予約台帳やPOSから、Googleマップ経由で実際に来店した人数を記録する
- チャネル別に「実来店数 ÷ アクション数」で自店の来店率を出す
- 次期間のアクション数を予測する
- アクション数に来店率を掛け、3つのレンジで来店数を出す
- 実績との差を測り、翌月の係数を更新する
重要なのは、インターネット上で見かける業界共通の来店率をそのまま使わないことです。駅前の飲食店と郊外の予約制サロンでは、ルート検索後の来店率も、電話から予約へ進む率も異なります。自店の履歴が最も説明しやすい基準になります。
MEOのKPI全体と費用対効果を先に整理したい方は、MEOの効果測定方法|見るべきKPIと費用対効果の計算方法もあわせてご覧ください。
Googleマップから予測に使えるデータと使えないデータ
Googleビジネスプロフィールの公式ヘルプでは、プロフィールのパフォーマンスとして、閲覧、検索語句、ルート、通話、Webサイトクリック、予約などを確認できると案内されています。ただし、利用できる指標は業種やプロフィールによって異なります。
| 指標 | 予測での役割 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| ルート検索 | 来店意向のある行動として来店率を掛ける | 来店完了ではない。既存客も含み得る |
| 通話 | 問い合わせ・予約につながる行動として使う | 通話ボタンのクリック数で、通話成立数ではない |
| Webサイトクリック | UTM・GA4・予約データと接続して使う | サイト訪問だけで離脱した人も含む |
| 予約 | 来店率または予約後の来店率を掛ける | 対応する予約プロバイダ利用時などに限られる |
| 表示・検索語句 | アクション数が増減した理由を読む | 来店から遠いため、直接来店率を掛けると誤差が大きい |
Google公式によると、パフォーマンスデータにはオーガニック検索結果とGoogle広告の両方が含まれます。広告を配信している期間は、MEOの自然検索だけの予測ではなく「Googleビジネスプロフィール全体の予測」と表記するか、広告期間を別に管理してください。
Googleマップの混雑表示は実来店人数ではない
Googleマップの「混雑する時間帯」やエリアの混雑状況を、来店人数へそのまま変換することはできません。Googleの説明では、混雑情報はGoogleタイムラインを有効にした利用者の集約・匿名化データに基づき、十分なデータがある場合に表示されるとされています。エリア混雑は正確な人数ではなく、そのエリア自身の通常時と比べた相対的な混み具合です。
混雑表示は曜日・時間帯の傾向を考える補助にはなりますが、予測の正解データには予約・POS・受付記録を使います。詳しい仕組みはGoogleマップの混雑状況は正確?仕組みやMEOへの活用法で解説しています。
MEOで来店数を予測する7ステップ

ステップ1. 予測期間と「来店」の定義を決める
翌週・翌月などの予測期間と、数える対象を固定します。新規客だけか、既存客を含む総来店か、予約来店だけかを混ぜてはいけません。
例えば「Googleマップを主なきっかけとして知り、対象月に初回来店した人」と定義します。電話問い合わせ、予約完了、来店完了は別の段階です。キャンセルや無断欠席を来店へ含めるかも決めておきます。
ステップ2. Google側のデータを同じ粒度で保存する
Google検索で自社プロフィールを表示し、「パフォーマンス」から期間を指定して、ルート、通話、Webサイトクリック、予約を保存します。複数店舗はBusiness Profile Managerからパフォーマンスデータをダウンロードできます。
予測単位が週なら週次、月なら月次にそろえます。多店舗や長期運用では、Business Profile Performance APIでルート検索、通話、Webサイトクリックなどの日次時系列を取得する方法もあります。
ステップ3. 実来店を主流入元へ1回だけ割り当てる
予約台帳やPOSに、流入元の選択肢を設けます。例えば「Googleマップ」「Google検索」「SNS」「紹介」「通りがかり」「不明」です。電話受付や初回来店アンケートでも、同じ選択肢を使います。
同じ人がWebサイトを見た後に電話し、さらにルート検索をした場合、3人として数えてはいけません。来店1件につき、社内で決めた主流入元へ1回だけ割り当てます。判断できない来店は「不明」のまま残し、都合よくMEOへ配分しないことが大切です。
WebサイトリンクにはUTMを付けると、Googleビジネスプロフィール経由のサイト行動をGA4で分けやすくなります。
?utm_source=google&utm_medium=organic&utm_campaign=gbp
Google Analyticsの公式ガイドに沿って、utm_source、utm_medium、utm_campaignなどの表記を統一してください。
ステップ4. チャネル別の実測来店率を計算する
チャネル別来店率 = そのチャネルに割り当てた実来店数 ÷ 同期間のアクション数
例えば、4週間のルート検索が200件、そのうち主流入元をGoogleマップのルート検索と記録できた実来店が70人なら、実測来店率は35%です。この70人と35%は説明用の架空値であり、他店へ適用できる基準ではありません。
データが少ない店舗では日別率が大きくぶれます。日次で無理に判断せず、週次または月次で合計して率を出してください。履歴が蓄積したら、週別来店率の下位・中央値・上位を使い、保守・標準・上振れの係数を作れます。
ステップ5. 次期間のアクション数を予測する
まずは複雑なAIモデルより、説明できる基準を作ります。
- 直近4週など、同じ曜日構成の平均
- 前年同月がある場合は前年同月
- 営業日数・定休日・臨時休業の補正
- 予約枠、セール、価格改定、広告、近隣イベントなど既知の変化
特殊要因は、来店率へ混ぜるより「アクション数の見込みを何件増減したか」として別欄に残すと、翌月に検証しやすくなります。根拠がない季節補正は加えず、データが少ないほど予測幅を広くします。
ステップ6. 3つの予測レンジと店舗容量を反映する
- 保守予測:予測アクション数 × 低めの実測来店率
- 標準予測:予測アクション数 × 中央の実測来店率
- 上振れ予測:予測アクション数 × 高めの実測来店率
席数、予約枠、施術者数、在庫などで受け入れられる新規客数には上限があります。計算上の予測が月120人でも、新規予約枠が80人分しかなければ、運営上の上限は80人です。集客予測と受け入れ可能数を並べて、機会損失や人員配置を判断します。
ステップ7. 実績後に誤差を検証する
標準予測と実来店数を比べ、どのチャネルで誤差が出たかを確認します。複数期間の誤差を見る指標にはWAPEが使えます。
WAPE(%)= Σ|実来店数 − 予測来店数|÷ Σ実来店数 × 100
実来店の合計が0ならWAPEは計算できないため、人数差をそのまま記録します。広告、休業、天候、イベント、入力漏れなど原因をメモし、翌月は影響したチャネルだけを更新します。毎月すべての係数を感覚で変えると、改善したのか分からなくなります。
架空の数値で翌月の来店数を予測する
次は計算手順を示すための架空例です。実在店舗の実績でも、業界標準の来店率でもありません。
| チャネル | 翌月アクション予測 | 保守率 | 標準率 | 上振れ率 | 来店予測レンジ |
|---|---|---|---|---|---|
| ルート検索 | 180件 | 25% | 35% | 45% | 45〜81人 |
| 通話 | 45件 | 20% | 30% | 40% | 9〜18人 |
| Webサイトクリック | 90件 | 5% | 8% | 12% | 5〜11人 |
- 保守:180×25% + 45×20% + 90×5% = 58.5 → 59人
- 標準:180×35% + 45×30% + 90×8% = 83.7 → 84人
- 上振れ:180×45% + 45×40% + 90×12% = 109.8 → 110人
したがって、「翌月は84人」と断定するのではなく、59〜110人、標準84人と報告します。この例は、実来店を3チャネルのどれか1つへ重複なく割り当てた前提です。重複を除けない場合は、チャネル合計を来店予測として使わず、全アクションに対する店舗全体の実測率で暫定計算してください。
予測シートに必要な項目
| 期間 | 営業日数 | ルート | 通話 | Webクリック | 予約 | MEO実来店 | 不明来店 | 外部要因 | 標準予測 | 実績 | 誤差 |
|---|
さらにチャネル別来店率、広告配信の有無、入力率、予約枠上限を別列にすると、数字が動いた理由を説明しやすくなります。受付で流入元を記録した割合が下がった月は、MEO成果が落ちたのではなく、記録漏れが増えた可能性があります。
少数の店舗では日別予測を細かく作るより、月次で安定した係数を作り、曜日別の人員配置は予約数やPOSの時間帯別実績で補う方が扱いやすいでしょう。
MEOの来店予測を外しやすい6つの原因
1. ルート・通話・クリックをそのまま来店数にする
Google側の行動と来店完了を分け、自店の来店率を掛けます。
2. 同じ人を複数チャネルで数える
来店1件につき主流入元を1つに固定し、不明は不明のまま残します。
3. 他社や業界平均の係数を固定する
商圏、業種、客単価、予約方法で率は変わります。外部係数を使う場合も仮説と明記し、自店データで速やかに置き換えます。
4. 広告と自然検索を混ぜる
広告配信期間を記録し、分離できない場合は「GBP全体」と表記します。
5. 祝日・休業・イベントを通常月と同じにする
営業日数と既知の特殊要因を別欄で補正し、予測の根拠を残します。
6. 店舗容量と記録品質を見ない
予約枠が埋まれば、検索需要が増えても来店数は伸びません。受付の流入元入力率が下がった場合も、予測係数が見かけ上悪化します。
MEOの来店予測に関するよくある質問
Search Consoleがなくても予測できますか?
できます。Search Consoleは主にWeb検索からサイトへの表示・クリックを確認するツールで、Googleビジネスプロフィールのルート・通話・Webクリックを測る主画面ではありません。GBPのパフォーマンス、GA4、予約・POS・受付記録があれば基本予測は作れます。ただし、Web検索経由の需要分析は弱くなるため、取得できないことをレポートに記録してください。
ルート検索だけで予測できますか?
暫定予測はできますが、電話予約やWeb予約、マップを見て直接来店した人を取りこぼします。来店経路が多い店舗ほど、チャネル別に分けた方が誤差の原因を特定しやすくなります。
新規店で履歴がない場合はどうしますか?
信頼できる来店予測はまだ作れません。まずGoogle側の行動と実来店を同じ期間で記録し、暫定レンジとして扱います。業界平均を確定値にせず、データが増えるたびに幅を狭めます。
Googleマップの混雑状況を人数へ変換できますか?
できません。混雑表示は匿名化されたデータに基づく相対的な傾向で、店舗の実人数を公開する指標ではありません。時間帯傾向の補助として使い、人数は予約・POS・受付記録で確認します。
多店舗で同じ来店率を使ってよいですか?
原則として店舗別に計算します。商圏、営業時間、予約方法、席数、スタッフ数が違えば転換率も変わります。全店共通の定義とシートは使えても、係数は店舗ごとに更新してください。
まとめ
MEOで来店数を予測するときは、Googleマップ上の行動を来店数とみなさず、**「予測アクション数 × 自店の実測来店率」**で計算します。ルート、通話、Web、予約を重複なく実来店へつなぎ、保守・標準・上振れのレンジで示し、実績後は誤差を検証します。
予測の目的は、数字を当てることだけではありません。必要な予約枠や人員を準備し、どのチャネルを改善すべきか判断できる状態を作ることです。
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